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Ubuntuで「TO HOST端子」接続 / The "TO HOST" connecting for the Ubuntu.

日経Linux誌に寄稿させていただいた際に、掲載を都合で割合した部分の記事を再掲します。

パソコン側から見ると、もはやシリアルポートは時代遅れの接続規格になりつつありますが、ミュージシャンの側からするとまだ需要があるコンテンツだと思い、備忘録として掲載しています。参考にしていただけると幸いです。


以前の電子楽器には、コンピュータと接続するための「TO HOST端子」がありました。

楽器側の「TO HOST端子」と、パソコンの「RS-232Cポート」とを接続するとコンピューターから楽器を操作できます。Macintoshの場合は「モデムポート」に接続していました。

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今回はIBM PC/AT互換機(Ubuntu)と、ポータブルシーケンサーのヤマハQY70を接続する方法についてです。PCとQY70との接続については詳しくはQY70のマニュアルを参照してください。


1.Ubuntuソフトウェアセンターを起動して「Setserial」をインストールします。

2.接続が完了したら「端末」を起動します。

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User@User-System-Product-Name:~$ sudo /bin/setserial /dev/ttyS0 uart none
User@User-System-Product-Name:~$ sudo /sbin/modprobe snd-serial-u16550 port=0x3f8 irq=4 speed=38400

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をタイプし、それぞれEnterで入力します。

3.設定されているか確認を行います。

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User@User-System-Product-Name:~$ cat /proc/asound/cards
0 [Intel ]: HDA-Intel - HDA Intel
HDA Intel at 0xfea78000 irq 42
1 [MIDIUART16550A ]: Serial - Serial MIDI (UART16550A)
Serial MIDI (UART16550A) [Soundcanvas] at 0x3f8, irq 4

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4.Ubuntuソフトウェアセンターで「Drumstick MIDI Player」をインストールします。

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5.Drumstick MIDI Playerを起動し、「MIDI Setup」ボタンをクリック。表示された「Player Subscription」ウインドウの「Output port:」を「Serial MIDI(UART16550A):0」に設定します。

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6.Drumstick MIDI PlayerにMIDIファイルを読み込ませ、「Play」ボタンをクリックするとQY70から音楽が再生されます。



また、上記方法で設定を行っても「Drumstick MIDI Player」に「Serial MIDI(UART16550A):0」が認識されていない場合があります。その場合は、マザーボードに実装されているUART(IC)の型番を調べて再度設定する必要があります。

1.「端末」から下記をタイプし実行します。

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User@User-System-Product-Name:~$ sudo /bin/setserial /dev/ttyS0 uart none
User@User-System-Product-Name:~$ sudo /bin/setserial /dev/ttyS0
/dev/ttyS0, UART: unknown, Port: 0x03f8, IRQ: 4

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2.上記コマンドで「UART: unknown」にUARTの型番が表示されるので、「Sendserial」側でUARTに合わせた設定を行います。

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User@User-System-Product-Name:~$ sudo /sbin/modprobe snd-serial-u16550 port=0x3f8 irq=4 speed=38400

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3.設定されているか確認を行います。

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User@User-System-Product-Name:~$ cat /proc/asound/cards
0 [Intel ]: HDA-Intel - HDA Intel
HDA Intel at 0xfea78000 irq 42
1 [MIDIUART16550A ]: Serial - Serial MIDI (UART16550A)
Serial MIDI (UART16550A) [Soundcanvas] at 0x3f8, irq 4

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あとは、Drumstickでの設定を行う事で、MIDIが再生できるようになります。


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なお、Ubuntuソフトウェアセンターから「Qjackctl」をインストールする事で、入出力サンプリングレートの設定や出音遅延設定など、各種設定を行う事ができます。このQjackctlでも、シリアル接続を行う事ができます。

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Ubuntuで動作するQtractor(Digital Audio Workstation)を使うと、本格的なMIDI製作を行うこともできます。この場合も同様に、Qtractor側でシリアルポートでMIDIメッセージを送受信する設定に変更してください。